Toru Sasaki`s Gallery


中国の初旅悲情

北京、西安、上海に行ってきました。
空気汚染と、人と車の喧噪で心に残る情緒はありませんでした。
中国の大地を見たという感慨もありませんでした。

そのかわり 建てたばかりの超然と輝き未来に伸びるようなビルと、
壊されつつある清時代以来の貧民寓居を同時に見るのは
百年以上の時空を超えて、脱皮するあでやかな生きた昆虫の姿のようでした。



さらには東京と同じ光の渦と人並み、
同じ雰囲気の地下鉄、同じ人の顔と服装、
北京・上海・東京は、いずれかと見紛う兄弟都市

上海と東京間の飛行時間が一時間九分。時差一時間
航空券は往復五万円。テレビはbs7と11が入る情報格差なし
ビジネスのために一泊で出張が出来る共栄経済圏

町を歩けば、を持つ祖先が同根の人々
仏教、孔孟の国、漢詩という精神基盤の共有
日本人と同じ人々というノスタルジアが頭をかすめました

しかし、人々は信号無視で、自動車と人の群れが命を賭けて先を争い
みんなが横から入って切符を買うルール無視の
我勝ちに生きようとするエネルギーばかりの人々の渦でした

なぜか日本人の心とは、心が遠く思える不思議な人々の群れ
雑然の中に巨大な生きるエネルギーを発散するのは同じ東洋人だが
中国人は日本人を目指さない批判的な隣人でもありました

日本の技術とこころを学ばなければ、世界の工場は不可だ。
だから、形の上ではそれを身に着けていくだろうが、
この近い国が、真の同胞にいつなるのだろうかと頭を痛めました


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