ランセストンの観光案内所の隣に、天気予報案内所があって天気予報官が最新の情報を駆使して旅の補助をしてくれる。それほど、観光にとって問題な風や雨、霧が発生する土地柄であるという訳だ。
よどみのない説明をするこの予報官に、タマールバレーに行きたいと言ったら、”そりゃーサイクリングには最高だ。川の東側を通って、先端まで行って帰りは川の西側を戻ってきて、日帰りだよ。”天気予報官は、上機嫌で言った。”天気はどうかというと”天気はいいが、北風がすごい”といった。
翌日は北の端まで念のためバスで行って、追い風に乗って帰って来る計画を立てた。さらに、万一帰ってこれないことを考えて、宿泊も考えて荷物を準備した。
行ってみると、平坦なのどかな川沿いのブドウ畑を走れると思いきや、道の大概は材木を積んだトラックが猛進してくるハイウエイだった。しかも、うねうね上下する。それでものどかな田園に入るところもあって楽しめるところもあった。その道が終わる頃はもう夕方五時。通勤ラッシュの時間帯で、ランセすトンまでは30キロもある。
宿を探し始めたがさっぱり見つからない。観光案内所を捜し当てて、もう帰る自動車に乗っている職員に食い下がって、自動車に先導してもらいながら、宿探し。3軒ほど探したがどこも満員。結局、自転車を自動車に押し込んでランセすトンまで、送ってもらう。”天気予報官が一日で行けるといっていたけど”というと、”そいつが自分で行ってみろよ!てーの!”だった。
翌日、天気予報官に報告に行くと”みんな行っているよ”と呟いた。
lonelyplanetのTASMANIAには、サイクリングには最高のところとあるから、計画に入れておいた場所だ。西洋人は特別の体力があるということか。高速道路を気にしないで走り抜けるのもすごい。きっと、十キロぐらいのロードレーサーに、荷物もつけないで走るのだろうけど。
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