Toru Sasaki`s Gallery




チャパラ湖の夕暮れと朝

その1、二月四日。午後六時から七時に、チャパラ湖を見る。



もう三十分ほどで日が落ちるのだろう。
空はわずかに白く、 対岸の山影とみずうみは薄ねずみで溶けあい
手前の岸は枯草色で湖底の野が見える。

空はわずかに白いが   上空は薄い水色だ。   
山の端は薄いピンク色だ
山影はあがったり下がったりして180度ある。

対岸の山影とみずうみは薄ねずみで溶けあっているが、
山と湖は青い薄ねずみ色でひとつに見えるが   
手前の湖はわずかに白い空の色が写っている



湖畔と同じ形の大きな水の輪が幾筋にも赤くなってきた水面に見える   
手前の岸は枯草色で湖底の野が見えるが、
岸に近くごま粒のように鳥たちが見える。

鳥たちは生活の最中だ。
足元に近く、所々に大きな葦が黄色に傾いでいるか、
緑をつけるかしている。 葦は黄色く、赤く、穏やかにかがやいている。


ああ日が落ちる。日の下の部分が山に懸かってきた。
日の廻りが朱色にかがやいていたが、
やがて日が沈み、力ない赤い色になった。


火山のマグマのように日の落ちた空とその手前の湖は赤い
廻りは日の光を失ったが、しばらくは昼間の姿がある。
鳥の声、虫の群れ、鐘の音。   

鐘の音がゆっくり打つ、そしてせわしなく打つ、やがて止む
そして、しばらくして、色と音は消えた.
今、かがやいているのは みずうみの 一帯びの白



二月五日土曜日 午前7時半。同じ場所で、チャパラ湖を見る。


日が上がった。見渡す限り、淡い光が満ちた。
対岸の山は大きく、やや紫に浮かんで見える。
空に一群れの鳥が朝の大きな舞をする。

やがて対岸の山に、日が差して、少し赤い幾筋も、紫の山肌に現れる。
見渡すかぎりのみずうみ。薄い水色にさざめいている。
ひとつずつの波に、銀色に空が写り、濃いコバルトの影がこもる。

鳥たちが、繰り返し力強く岸辺に沿って飛ぶ。
白いいくつかの大きな鳥ペリカン?白い小さないくつもの鳥シラサギも混じる。
大きな羽を広げ飛び立つ黒い鳥。

ごまのように見える小さな鳥の群れ。
目の前の少し向こうに、草の先に、朱色に輝くものがある。
大きなバラの花かと思う。少し動くと 黒い羽を広げ、飛び立っていった。



今、十一時、同じ場所

湖と対岸の山がやはり霞んで見える。 山の端の空は白い、
山を良く見れば山の影の紫と日当の赤い山肌が縦に交互に並ぶ
湖は緑にグレーが混じり少し赤みさしてもいる。

湖の中ほどに、白く横に一列の大きな鳥、 ペリカンと思う。
手前は乾期で干上がった草場、 枯草色とグリーン ふと、足元の叢をみると
二十五センチほどのリス。二匹三匹探すといくらでもいる。 リスだけでない小動物たちの楽園。

海抜が二千ほど。空気は澄んでいる。光が一杯。
鳥の声。岸辺で鳥たちの生活が見える。
広大なパノラマ。今、大空に五十羽ほどのペリカンが舞う


(ホテルモンテカルロの庭から)