Toru Sasaki`s Gallery




メキシコの現実

"メキシコはどんなところ?
”メキシコ人はどんな人”とゆたかに聞いて収集した答えである。

一般の人の給料は一万五千円から2万五千円くらい。
物価が日本の三分の一くらいだから、日本でいうと6万円ぐらい価値になる。

ちなみに、アパートは1ヶ月二千円から借りられる。
(サンミグゲルデアジェンで案内してもらったカナダ人の家は月額十五万円だった。
現地の人の住宅費と外人の老後のアパートは五十倍以上の差となる)

日本の企業が進出しているが、メキシコ人は碌な理由もないのに、すぐに辞めてしまう。
余り働くことが好きではないようだ。

メキシコ人は大部分が、メキシコの原住民とスペイン人の混血だ。
これが人口の七十パーセントを占めてこの給料で生活をしている。

経済を握り金を持っているのはスペイン人の末裔で、西洋風の贅沢な暮らしをしている。
この金持ちは五パーセントだ。残りの二十五パーセントの人々は生計の道がない原住民だ。
この人たちはとても貧しい生活をしている。

メキシコ人は約束をしても一、二時間待たされるのは当たり前。悪気がないから文句も出ない。

男はみんな女性にとても甘いことを言うが、嘘ばかり言っていると思えばよい。
いろんなことに責任はとらない。

女たちは十八才くらいまでに三十パーセントが子供を産む。
しかし、父なしが多い。子供を捨ててしまう女学生も多い。
ユニオン公園で乞食をしている子供や、みやげ物を売りに来たりしている子供は捨てられた子だ。

子供の乞食に金を遣るべきか否か迷うというと、
"欧米人はやっていないが、メキシコ人はやっている。"という話だった。

ゆたかの経験談。
若い頃ある金持ちの家に泊まったとき、そこの下女が、夜に冷え込む冷たい床に、
着の身着のままで寝ているのを、見かねて毛布を持っていったことがあった。
翌朝この行為に、宿の主人からとても怒られたという。
金持ちは、原住民など貧しい人を決して同等に考えない。
貧しく、ひもじく、寒いのが当然ということを徹底する。
三百年にわたる支配者の従属民族への対応の名残だ。


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